浪江町民の健康調査支援事業の特徴

2017/10/17

 浪江町民の健康調査支援事業は日赤や看護大学にとって経験の無い初めての取り組みであり、事業の立ち上げにあたっては、事業実施のための組織体制作り、浪江町をはじめとする地域の関係する組織との連携などについて検討や工夫が必要でした。

事業実施のための組織体制作り


 本事業は日赤と看護大学の共同で実施することとし、まず両組織の役割分担を検討し、その上で組織体制を構築しました。日赤本社においては看護部が担当部署となり、事業計画や資金の算出・管理、全国の赤十字病院からの看護師などの派遣計画、いわき市内の現地事務所の整備などを担当しました。看護大学においては、「看護実践・教育・研究フロンティアセンター」の実践部門と位置付け、事業企画・運営、現地事務所の組織と運営、健康調査の企画・実施、活動する看護師の研修を担いました。両組織の連携を強化し、運営を円滑にするため、日赤看護部と看護大学の連携会議を4半期に一度開催しました。
 いわき市内の現地事務所は、2012年10月に福島県赤十字血液センターいわき事務所内に設置されました。その後2013年10月に浪江町が設置した「なみえ交流会館」内に「日赤なみえ保健室」を設置し、活動拠点を移動しました。現地事務所には事務職員(1名)、看護大学非常勤職員(2名:保健師および看護師)が常駐し、これに全国の赤十字病院から派遣される看護師が参加しました。派遣された看護師は、活動期間を通じて、50の施設(赤十字病院や看護専門学校など)から延べ79人となりました。
 2013年からは、常駐する看護大学の非常勤職員を現地雇用の保健師にし、現地に根差した組織運営を可能としました。その他、ボランティアとして看護大学の教職員や同窓生も参加しました。

地域の関係する組織との連携


 活動をスムーズに行い継続可能とするためには、地域の関係する組織との連携が不可欠となります。連携が必要となる組織としては、福島県相双保健福祉事務所(いわき出張所)、浪江町役場(二本松市常駐の健康保険課保健師、いわき市出張所総務課)、浪江町民組織(なみえ絆会、ぐるりんこ隊)などがありました。
 これらの組織を繋ぐための会議の場として、事業開始時から以下の会議を開催しました。

  • 現地事務所開所式(2012年10月15日)に合わせて、日赤、看護大学、浪江町、福島県相双保健福祉事務所との連携会議を開催し、調査票、調査対象、調査後のフォローについて協議し合意を得ました。
  • 日赤福島県支部との情報交換などを年に1回行いました。また、遊具の寄贈や講習会などの企画・運営を協力して行いました。
  • 浪江町健康保険課との連携を図るため、浪江町健康保険課の保健師といわき市出張所総務課、日赤現地事務所の運営スタッフ、日本赤十字看護大学担当者、赤十字病院の派遣看護師らが参加する「浪江・日赤連携会議」を月1回開催しました。この中で、調査データの共有や町民への支援についての情報交換を行いました。フォローが必要な町民への支援については、2014年夏より福島県相双保健福祉事務所(いわき支所)、福島県心のケアセンターを加えて検討を行いました。