教育支援
被災学校支援事業

東日本大震災や福島第一原発事故のために校舎が被災したり、学校の所在地が避難指示区域内のため避難先の仮設校舎などで授業を続けている学校があります。そのような環境下で学んでいる生徒・児童たちの学校生活をより豊かなものにし、ストレスや不安を軽減することを目的に始めたのが学校支援事業です。対象となる生徒・児童に適した内容の音楽や芝居、映画などの鑑賞、ワークショップによる体験学習など、学校側の自主的な企画に沿って多様なプログラムを提供しています。
開催実績
学校支援事業は2012年10月から開始し、2018年度も継続しています。今までに開催された回数は以下の通りになります。
2016年度 | 2017年度 | |
---|---|---|
小学校 | 8回 | 10回 |
中学校 | 10回 | 10回 |
高等学校 | 7回 | 3回 |
養護・支援学校 | 2回 | 1回 |
その他 | 1回 | 0回 |
各年度の開催場所や、開催実績についてまとめました。
2016年度および2017年度の被災学校支援事業の開催場所 [PDF]

2016年度被災学校支援事業開催実績 [PDF]
川俣町立山木屋中学校では、震災以前は地元の「たんぼリンク」でスケート競技に親しんできました。避難生活ですっかり遠ざかってしまったスケートについて、専門家による指導の下、競技力の向上を目指したスケート教室を公式リンクで開催しました。
2017年度被災学校支援事業開催実績 [PDF]
浪江町立浪江中学校では総合的な学習において、ふるさとの伝統工芸品「大堀相馬焼」を学んできました。全町避難により実際の体験が難しいため、バーチャルでの体験を行いました。
「青少年赤十字 詩・100文字提案」作品募集

「青少年赤十字 詩・100文字提案」作品募集は2006年度から実施している事業です。2011年度から引き続き、東日本大震災、福島第一原発事故を体験して「気づいたこと」「考えたこと」「実行したこと、実行しようとしたこと」を詩・100文字に表現した作品を募集し、作品審査会、作品集の作成を行いました。生徒・児童が、「書く活動」を通して自己の思いを表現することにより、これからの生活を前向きに考えられるようにするとともに、自立心を育てることを目的として実施しています。
募集内容と作品紹介
【2016年度】

■ 募集テーマ:
詩部門 「いのちの詩・愛の詩」
100文字提案部門 ① 私のできるボランティア
② 福島・日本・世界のためにわたしがしたいこと、できること
③ 私が感動したことばやできごと
■ 応 募 校 数:64校
■ 応募作品数:6,685点
【2017年度】

■ 募集テーマ:
詩部門 「いのちの詩・愛の詩」
100文字提案部門 ① 私のできるボランティア
② 福島・日本・世界のためにわたしがしたいこと、できること
③ 私が感動したことばやできごと
■ 応 募 校 数:64校
■ 応募作品数:5,067点
青少年赤十字 防災教育プログラム

世界でも類を見ない複合災害を経験している福島県内の児童・生徒に向けて教育現場で「青少年防災教育プログラム」を普及・活用することを目的として、指導者の育成を行うと共に、防災教室も開催しています。
開催実績
「青少年赤十字 防災教育プログラム」は2016年度から開始し、2018年度も継続しています。
2016年度青少年赤十字防災教育プログラム開催実績 [PDF]
2017年度青少年赤十字防災教育プログラム開催実績 [PDF]
被災した高校生の国際交流事業

福島県支部では、これまでも「国際理解・親善」を深めるための具体的事業として、県内の青少年赤十字(JRC)加盟校のメンバーを海外の赤十字加盟国へ派遣してきました。震災後は、県内のJRC加盟校の他に被災高校の生徒からも参加を募り、被害の実態を海外に伝えるとともに数多くの支援を受けたことへの感謝も伝えながら、現地の青少年との交流を図っています。2017年度は、多くの県内高校生に、より身近に「国際理解・親善」を経験してもらいたいとの思いからフィリピンメンバーを県内に招聘しました。フィリピンメンバーは福島県高等学校青少年赤十字連絡協議会秋季総会・第50回県大会などにも参加し、県内青少年赤十字加盟校の大勢のメンバーとの交流が実現しました。
実績内容
〖主 催〗: 日本赤十字社福島県支部、青少年赤十字福島県指導者協議会
〖後 援〗: 福島県教育委員会、福島県高等学校長協会
【2016年度】
・ 派遣国、地域: フィリピン共和国 マニラ首都圏、近隣州
・ 研修内容: ① フィリピン赤十字社訪問・関連施設見学
② 青少年赤十字加盟学校訪問・青少年メンバー、地域住民との交流
③ 伝統文化・史跡視察・フィリピンの災害対応研修
④ フィリピン家庭訪問、青年ボランティアとの交流、関係団体訪問など
・ 派遣期間: 2016年8月14日(日)~20日(土)(6泊7日)
・ 派遣者数: JRCメンバー9名、引率教員2名、日赤福島県支部職員2名

出発時の飛行機の遅れから始まり、現地では大雨の影響で計画していた学校訪問が中止となり、かつてないほどの予定変更を余儀なくされました。しかし、その分フィリピンの各支部メンバー、ユースメンバーとの交流が例年にもまして親密に行われ、派遣メンバーの心に温かい思い出として刻まれました。また、極貧地パヤタス地区への訪問では、自分たちの生活を振り返るとともに、家族の絆や子供たちの笑顔、そして女性の自立に尽力する日本のNPOの姿などに触れ、今後の青少年赤十字活動の力ともなる大切なものを得たメンバーも多かったようです。
2016年度フィリピン派遣報告書 [PDF]
2016年度のフィリピン訪問スケジュール、参加者の所感などをまとめています。
【2017年度】
・ 来日期間: 2017年11月5日(日)~11日(土)(6泊7日)
・ 来日者数: フィリピンメンバー5名


2006年度からスタートした本事業では初めて、フィリピンメンバーを県内に招聘しての交流活動となりました。フィリピンメンバーは県内6つの高校を訪問し、授業や部活動への参加を通じて日本の高校生の学校生活を体験しました。また、福島県環境創造センター・コミュタン福島を訪問し東日本大震災の様子や原子力災害を被っている福島の実態について理解を深めました。最終日となった青少年赤十字連絡協議会秋季総会・県大会では、フィリピンメンバーは民族衣装で参加、福島のメンバーとのプレゼント交換やゲームでの交流もあり、大変な盛り上がりとなりました。