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今回の会議では、主に以下のような内容が討議されました。

1.福島での会議からの進捗について


  • 連盟ガイドラインの確認:
    福島での第3回関係国会議の協議結果を踏まえ、連盟ガイドラインの最終稿が紹介されました。連盟ガイドラインは包括的なものであり、原子力および放射線緊急事態への事前の備え・応急対応・復興における各社の役割について指針を示しています。各社は、各社や各国の状況に合った指針を策定するための基礎資料として連盟ガイドラインを使用することができます。日本赤十字社からは、指針作成の一例として、日本赤十字社が策定したガイドラインについて紹介がありました。連盟ガイドラインについては、今年12月に開催される連盟総会でのサイドイベントにおいて、世界各国からの参加者に対し報告されることになっています。
  • 各社のCBRN緊急事態への対応能力の調査結果:
    連盟が行った各赤十字社・赤新月社の対応能力の調査結果が報告されました。この調査は、各国の備え、原子力・放射線緊急事態の災害リスクの削減および各社の役割について情報を収集することが目的です。
  • 支援ツールについて:
    連盟が開発しリリースした、原子力緊急事態対策に関してWebベースで学習ができる「e-ラーニング」についての説明がありました。利用者は、緊急事態発生後に被災国の社へ派遣される緊急保健スタッフという役割での学習ができます。また、ICRCからは、現在進めているCBRN専門家の登録スキームについて紹介がありました。選定された専門家は関連資機材について基礎トレーニングを受け、定期的に訓練に参加し、緊急時にはICRCまたは連盟が派遣調整を行うことを想定しています。連盟および参加各赤十字社は、今後そのような取り組みについても検討を進めて行く必要性を認識しました。
     

2.各社の取り組み紹介 (ベストプラクティス)


CBRN緊急事態に対する各社の取り組みとして、いくつかの赤十字・赤新月社から以下のような事例紹介がありました。
ドイツ赤十字社からは、現在のドイツに移民が流入している中、各地の災害対応体制が直面している課題の概要について説明がありました。
連盟東アジア代表部からは、天津(中国)で発生した爆発事故への対応として中国紅十字会が実施した、避難所の設置や救援物資の配付、こころのケアチームによる被災者に対する個別カウンセリングの取り組みについて説明がありました。

 
パキスタン赤新月社からの報告

パキスタン赤新月社からは、赤新月社のCBRNに対する備えを、国の備えとどのように適合させているかについて説明がありました。また、パキスタンの原子力規制機関が行っている、市民に対するトレーニングや訓練の内容が紹介されました。報告の中で、「福島で実際の被災地を見たことで目が覚めた。原子力災害対応の重要性と緊急性を認識させられた。」との意見が述べられ、被災地である福島で前回の会議が実施されたことの意義や、被災地の現状を世界に発信し続ける重要性が再確認されました。

インド赤十字社からは、自然災害に対する脆弱さや貧困率などの課題について説明がありました。

他にも、イタリア赤十字社、赤十字国際委員会、ダビデの赤盾社(イスラエルの赤十字)、日本赤十字社からも活動の紹介がありました。
 

3.CHARP (Chernobyl Humanitarian Assistance and Rehabilitation Programme)


(チェルノブイリ人道支援プログラム)
1990年から2012年まで、22年間にわたって行われたCHARP活動のレビューが、2015年3月から7月にかけて連盟において行われました。詳細な報告は広く公表される予定であり、また2015年12月の連盟総会のサイドイベントでも紹介される予定です。
 

4.ゲストによる講演


(1)ドイツ連邦局・国民保護災害支援室
Federal Office of Civil Protection and Disaster Assistance (ドイツ連邦局・国民保護災害支援室)のSusanne Lenerz氏より、ドイツにおけるCBRN国民保護についてプレゼンテーションがありました。

(2) ロベルト・コッホ研究所
Robert Koch Institute(ロベルト・コッホ研究所)のJulia Sasse氏からは、「ドイツ国内における生物ハザードへの対策について」と題して、ドイツ国内において省庁・その他の所轄当局・対応機関がどのように調整を行っているのかについても説明がありました。
 

5.今後の取り組みについて


今回の会議では、CBRNは今後の国際赤十字公式会議でも取り上げられるべき項目であることなどを踏まえ、各社CBRNへの対応を前進させる必要があることを認識しました。そのためには、各社での一般的な知識の向上だけではなく、専門家集団の確保も必要であるとの認識を持ちました。

連盟および関係国会議メンバーの今後の取り組み事項については、下記のアクション項目を参照してください。
IFRCおよび関係国会議メンバー社によるアクション項目 [PDF]