現地視察

視察1日目

会議初日にあたる10月27日には、福島県庁と福島赤十字病院を訪問しました。福島県庁においては、村田副知事から歓迎の言葉をいただくとともに、県庁の方から福島県の復興計画と現状や決意について説明を伺いました。福島赤十字病院においては日本赤十字社としての救護活動、および福島県立医科大学の県民健康調査活動について説明を受けました。

福島県庁訪問


関係国会議の参加者は、福島県庁を訪問しました。冒頭、村田文雄副知事より県民を代表して歓迎のご挨拶がありました。その中で、世界の赤十字から寄せられた支援に対して感謝の言葉が述べられました。また各国からの参加者に対し、今回の訪問で福島県のこれまでの取組みと復興の現状を見てもらい、赤十字の今後の災害救助と災害対策の改善に役立てて欲しいと要望されました。「Future From Fukushima」をスローガンに県民一体となって新しい福島を築くために取り組んでいると説明があると、参加者から拍手が起こりました。
これに対して、国際赤十字を代表して、クウェート赤新月社のDr. Hilal Musaed AlSayer社長から、今回の訪問を受け入れていただいたことに対する感謝の言葉が述べられました。その中で、訪問団のメンバーは被災地の実情を見て、被災者の声を聴き、今後起こりうる災害に対してどう備えるかを議論することになっていることを説明しました。
次に、復興・総合計画課の阿部主幹より、福島県の復興の状況について説明を受けました。福島県では、「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」など、3つの基本理念に基づいた復興計画を策定し、環境回復・生活再建支援・農林水産業再生・再生可能エネルギー推進などの12点の重点プロジェクトを実行しているとの説明があり、復興の道のりは長いが必ず成し遂げるとの強い決意が述べられました。福島県の復興計画はこちらからご覧いただけます。(福島県のサイトへ)
福島県から記念品として会津塗の「箸」が、同じ発音である「橋」にかけて「架け橋」になって欲しいとの意味を込めて訪問団に贈られました。

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 福島県副知事と視察参加者

福島赤十字病院訪問


福島赤十字病院訪問

参加者は続いて福島赤十字病院を訪問しました。冒頭、福島赤十字病院の渡部洋一副院長(写真右上)より、福島第一原発事故が発生した際の日本赤十字社および福島赤十字病院の対応について、以下の説明がありました。
3月11日の地震発生直後に、全国からDMAT(Disaster Medical Assistance Team)や救護班が福島県にも派遣されましたが、原発事故発生後には、福島赤十字病院を除いては県外に活動先を移動するか派遣元の病院に引き上げました。その理由として、日赤には原発事故を想定した行動基準がなかったことや、必要な知識や装備がなかったことがあげられます。その後、日赤は安全対策を策定し救護活動を再開しましたが、原子力災害に対する備えがなかったことが課題として残りました。福島赤十字病院は、その後、避難住民の警戒区域への一時立入りに対する支援を行い、またWBC(Whole Body Counter)を使った内部被ばく検査は今も続けています。

日赤では、原子力災害に備えるために、原子力災害情報センターを立ち上げ、「原子力災害における赤十字活動ガイドライン(仮称)」の策定や、デジタルアーカイブを通して原子力災害に関する情報発信などの活動を行っています。
 
プレゼンテーションスライド:福島赤十字病院 渡部洋一副院長(英語のみ)[PDF]

続いて福島県立医科大学の大津留晶教授(写真右下)より、①福島第一原発事故と福島県立医科大学の医療活動、②住民の被ばく線量の推定、③災害後の健康増進への課題と健康管理調査について説明がありました。
福島県立医科大学では、DMATの派遣、被災患者の受入れ、住民のスクリーニング、原発サイトからの患者の手当て、仮設住宅の住民の健康支援などを行いました。また、事故発生後4か月間の推定被ばく線量の調査内容と結果について紹介がありました。最後に、災害後の支援として行われている、県民の健康調査についてデータをもとに解説していただきました。災害発生直後は、ストレスや避難によるライフスタイルの変化による病気を防ぐ支援が必要であり、長期的には心理的なケアや放射線リスクに関するコミュニケーションが大切であることが説明されました。
 
プレゼンテーションスライド:福島県立医科大学 大津留晶教授(英語のみ)[PDF]