原子力および放射線災害時の大衆情報伝達を考える国際シンポジウム

2019/07/19

 国際原子力機関(IAEA)は、「原子力および放射線災害時の大衆情報伝達を考える国際シンポジウム」を2018年10月1日から5日まで、ウィーン(オーストリア)で開催しました。

9つの国際機関、500名以上が参加


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シンポジウム会場の様子
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シンポジウム会場の様子

 本シンポジウムは、国際赤十字連盟・赤新月社連盟(IFRC)を含む9つの国際機関が協力し、500名以上のコミュニケーション専門家、メディア、およびジャーナリストが参加し、「原子力と放射線に関わる緊急事態を大衆に伝達する」最良の方法をめぐり、手法や専門知識が交換されました。

 IFRCは、プレゼンテーションや出展ブースを通じて、緊急事態が発生する遥か以前から地域の住民やボランティアとのつながりを築くことがいかに重要であるかをシンポジウム参加者に示し、役に立つ教材や、ケーススタディ、および赤十字・赤新月社の活動に関する情報を発表しました。

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IFRC出展ブースの様子
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IFRC出展ブースの様子

プレゼンテーション資料は、以下のリンクからご覧ください。
「IFRC Martin Krottmayer氏の発表資料」(英語版)

IFRCの考え方


 IFRCおよびそのメンバーである各国赤十字社は、かねてから、IFRCのグローバルな原子力災害対応プログラムの基軸を成す領域として、リスクコミュニケーション、意識啓発およびコミュニティ活動に着目してきました。そうしたことから、IFRCはチェルノブイリと福島で起きたような原子力が関わる緊急事態から得た知見と教訓を活用する能力を有しているだけでなく、多様なハザードに対処する一本化したアプローチを通じて、各国赤十字社が日常的に緊急事態に対策を講じ対応する中で整備した防災体制を組み入れることができます。

 各国赤十字社の役目は所轄の当局を補佐することであり、国民保護体制の中で要のひとつとなっています。防災計画には原子力と放射線の想定が織り込まれ、赤十字・赤新月社の中には、核物質が引き起こす緊急事態に対処する訓練を積んだ化学物質・生物学的物質・放射性物質・核物質(CBRN)専門チームを有するところもあります。

 核と放射線を仮定したシナリオは、大規模な公的行事に際しての非常事態計画に組み込まれ、国境をまたぐ緊急事態を考える上でも念頭に置かれています。私たちはこうした対策を行うことで、人々が赤十字・赤新月社に抱く期待に副うことができるのです。世界各地で人々は私たちを信頼し、適時適切な緊急サービスや、取るべき行動についての情報提供を期待しています。

 情報はときに、避難所や食糧、救命措置と同じように人々の命を救います。オーストリア赤十字社副事務局長のOpriesnig氏が開会式で述べたように、「私たちは、緊急事態の発生前・中・後を通じて、リスクコミュニケーションは災害支援機関である私たちの任務と役割の一端であると考えています。赤十字社はボランティアを通じてコミュニティに深く根差していますが、緊急時において人命を救い、生活を改善する実践的情報を広める基礎を築くのは彼らボランティアなのです。」状況によっては、赤十字ボランティアなどから信頼できる情報源が、科学技術専門家が提供するガイドラインよりも大きな影響を及ぼし得ると私たちは確信しています。

 本アーカイブでは、これまでの原子力災害時の救護活動や国際赤十字の動きについても検索・閲覧・ダウンロードができ、情報発信をしています。