平成30年度青森県原子力防災訓練に参加

2019/01/23

 日本赤十字社青森県支部は、平成30年11月10日~11日の2日間、東通村など6市町村を会場に開催された青森県原子力防災訓練に参加しました。

県内延べ96機関、1,200人が参加


 日赤は、指定公共機関として災害救護業務を本来の使命とし、救護班が災害発生時に迅速かつ的確に救護活動を展開できるよう、毎年訓練を行っていますが、県など自治体が開催する訓練にも参加しています。

 今回の訓練では、青森県太平洋側の沖合を震源とする震度6強の地震で、東通原発1号機の炉心が損傷、放射性物質が放出されたという想定で訓練が行われました。自衛隊や第2管区海上保安本部などを含め、延べ96機関、1,200人が参加し、赤十字からは、青森県支部2名、八戸赤十字病院の看護師3名が参加しました。

 初日の10日には、オフサイトセンター運営訓練や、緊急時通信連絡訓練および原子力事業者と実動機関の連携訓練が実施され、翌11日には、緊急時モニタリング訓練から始まり、住民避難の一連の動きを確認するための各種訓練が実施されました。

関係機関実動のための訓練



避難退域時検査の様子

避難退域時検査の様子

 今回の訓練では、関係機関実動のためのマニュアルや体制の検証が行われており、例えば、安定ヨウ素剤配布のタイミングや、避難退域時検査の実際の動きの確認など、実地に関係者が実施して課題を探りました。
 日赤青森県支部では、これまで、UPZ圏外に設けられる避難所へ救護所を設置し、医療救護を実施していましたが、住民がUPZ圏外へ移動する前に行われる避難退域時検査について、国からマニュアルが示される中で、安定ヨウ素剤配布や、避難時に具合が悪くなった人などにどのように対応するかが課題となってきたことから、避難退域時検査場に至るまでの間に避難住民の具合が悪くなった、または、避難する際に何らかのケガを負ったが、救急車を要請するほどのケガではない場合などを想定し、避難退域時検査場からさらに時間を要する避難所への移動までの間、状態を安定化するための応急手当を実施する救護所を設置することとして訓練へ参加いたしました。
 訓練会場となった、六ケ所村立南小学校に隣接する児童館に当初救護所を設置する予定でしたが、車両検査前の早い段階で具合の悪い人がいないか確認する流れに変更し、車両検査場近くの屋外に設置されることになりました。
 訓練の流れとしては、避難してきた車両が、乗員の検査の代用として車両検査を受けます。その際、安定ヨウ素剤の受理の有無の確認と、具合の悪い人がいないかについても確認されます。
 具合の悪い人がいた場合、車両の汚染がなければ、救護所に隣接する検査場でクイックサーベイを受け、汚染がないことを確認されたのち、救護所で手当てを受けるということになります。この応急手当のため、八戸赤十字病院から看護師3名が参加しました。

見えてきた課題



強風を避けて設置したテントの様子

強風を避けて設置したテントの様子

 当日は晴れていたものの、風が強く、地元自治体が小学校駐車場に用意していたテントは風にあおられ、危険な状態だったため、建物で風が遮れる場所へ移動し、さらに、車両で風よけを行いました。また、屋外での救護所となったことから、テントには横幕が必要となりましたが、用意されていたテントには横幕がなかったため、急遽持参していたテントの横幕を使用しました。
 資機材の設営については、寒冷期や悪天候時も想定した準備の大切さを改めて実感しました。

今後の取り組み


 訓練を総括して青森県原子力災害医療対策専門部会委員である日本赤十字社青森県支部の吉川靖之事業推進課長は、「今回の訓練を通して、屋外に救護所を設置するには、赤十字のような自己完結できる救護班でなければ、対応が難しい。しかしながら、実際の救護所運営では原子力災害医療協力機関も行うことになることから、原則救護所は屋内設置とするなど、環境を整えていく必要性を感じた。また、地域の実情に合わせ、冬季の例えば、吹雪下での避難退域時検査における救護などについても今後検討していかねばならない。」と語りました。

 日赤は、このような自治体の訓練に参加するだけでなく、放射線の基礎知識や資機材の使用方法の習得等を目的とした「原子力災害対応基礎研修会」を実施し、原子力災害時の救護活動に従事できる職員の育成に努めています。また、原子力災害の発生又はその恐れがある場合は、日赤の原子力災害医療アドバイザーを本社や支部の災害対策本部に派遣し、救護班が安全に活動できる体制を整えることとしています。

 詳しくは、日本赤十字社の原子力災害に備える取り組みをご覧ください。

 本アーカイブでは、これまでの原子力災害時の救護活動や国際赤十字の動きについても検索・閲覧・ダウンロードができ、情報発信をしています。