原子力災害時における被災者とのコミュニケーション

2017/06/02

 東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故(以下、福島第一原発事故)では、放射性物質が大気中や海中に放出されたことにより、周辺地域の住民は避難を余儀なくされました。また、事故に対する正しい情報が共有されず、放射線の人体への影響について様々な見解が流布したため、人々の放射線による被ばくへの不安感や恐怖心は増幅され、多くの被災者が長期にわたり心身ともに困難な日々を過ごすことになりました。
 原子力災害時の日本赤十字社(以下、日赤)の救護活動は、自然災害時などと異なり、このような特殊な状況下で行われることが予想されます。このため、被ばく医療の専門家チームではない日赤の救護班に対しても、被災者から事故や放射線に関する質問や助言を求められることが想定されます。また、被ばくに対する不安感や恐怖心を抱える被災者に対し、救護班としてどのように接すればよいのかとまどう場面もあると思います。
 日赤では、原子力災害時に救護班が被災者とより適切なコミュニケーションを図り、被災者が必要とする支援ができるよう、原子力災害時の救護活動体制、被災者の心理状況、また、会話例を用いた被災者とのコミュニケーションの対応方針などの基本的事項を、福島第一原発事故の反省を踏まえてとりまとめた、冊子「原子力災害時における被災者とのコミュニケーション」を作成しました。本冊子の内容は、あくまでも対応例であり、実際の原子力災害時の救護活動では、救護班はその場の状況に応じた柔軟な対応が求められます。

本冊子 [PDF] はこちらからダウンロードできます。