第35回日本看護科学学会学術集会での講演について

2015/12/22

 日本看護科学学会では、毎年1回学術集会を開催しています。2015年は12月5~6日に広島市で第35回学術集会が開催され、その中で行われたリレー講演「原子力災害による健康への影響と緊急時の対応」において、日本赤十字社(以下、日赤)の山澤 赤十字原子力災害情報センター長が、「救護団体としての原子力災害への取り組み」と題して講演を行いました。講演のプレゼンテーションは下記よりご覧いただけます。

「救護団体としての原子力災害への取り組み」(スライドのみ)
「救護団体としての原子力災害への取り組み」(講演テキスト付き)

 山澤センター長は講演の中で、救護団体としての日赤も、大規模原子力災害を想定した装備や安全基準の用意がなかったことから、災害当初の救護活動では一時的な制約が生じたこと、そしてその経験と反省を踏まえた上で、2011年の国際赤十字・赤新月社連盟総会での「原子力がもたらす人道的影響に関する決議」 に基づき、同様の災害が発生した場合には迅速にかつ適切な人道支援活動ができるよう、対策を進めてきたことを説明しました。

 具体的な内容として、2013年度中に日赤救護班を対象とした、「原子力災害における救護活動マニュアル」 を作成するとともに、原子力災害防護資機材を整備したことと、2014年度からは、救護班を構成する赤十字病院の医師・看護師・診療放射線技師・事務職員や全国の日赤の支部職員を対象に、原子力災害に備えるための基礎研修会をスタートし、あわせて、放射線下での救護活動を安全かつ適切に行うための助言機能として緊急被ばく医療アドバイザーをあらかじめ任命する体制作りを行ったことにも言及しました。
 これらの活動と並行しながら「原子力災害における救護活動ガイドライン」 の策定に取り組んできたことにも触れました(2015年3月に策定)。同ガイドラインには、日赤の職員ならびに赤十字ボランティアによる幅広い活動を念頭に、事前対策フェーズ、応急対応フェーズ、復興フェーズに分けて、福島での経験を踏まえた各々の活動内容が記載されています。また、災害時は活動従事者の安全確保が基本であることから、安全基準も明記されています。
 最後に、今現在も、福島の被災地では、看護職を中心にこころのケア活動に取り組んでいること、そして、今後、国内外の関係機関との協力を進めるとともに、継続的な検討が必要な課題に取り組む予定であることを説明しました。