IAEA「包括的災害対応に関する国際会議」への参加について

2015/12/11

 2015年10月19日から23日にかけて、オーストリアのウィーンで開催された、IAEA(国際原子力機関)の「International Conference on Global Emergency Preparedness and Response」(日本語訳:「包括的災害対応に関する国際会議」)に日本赤十字社(以下、日赤)の緊急被ばく医療アドバイザーを務めている、日本赤十字社長崎原爆病院の朝長万左男名誉院長が参加しました。

 これは、6月に国連ウィーン事務局で開催された「Consultancy Meeting on Medical Follow up and surveillance of persons following radiation emergencies」(日本語訳:「放射線災害時のメディカルフォローアップガイドライン策定準備会合」)の総括となる国際会議で、現代の災害対応について各国の状況や対応能力などの知見を共有するとともに、核・原子力災害等対応の更なる強化について議論することを目的に行われました。

 朝長名誉院長は、「人道支援団体の視点からの原子力災害時における緊急医療」と題されたセッションにおいて、福島原発事故当時の状況と日赤救護班の対応について、また、その反省を踏まえて策定された日赤の「原子力災害における救護活動ガイドライン」について概要を説明しました。
 会場からは、日赤の医療救護班の活動基準値はICRP(国際放射線防護委員会)の勧告である年間1mSvとしているが、基準として低いのではないかという意見がありました。それに対して朝長名誉院長からは、日赤の活動従事者は放射線の専門知識を持つ医療スタッフに限定されていないため、一般市民と同レベルの基準を適用している。また、救護班の活動は期間を限定(1週間以内)して行われるので、実質年間50mSv相当地域での活動が可能であり、かつ全国の救護班を順次交替させながら活動を継続することから、災害時にも十分な医療活動が長期的に行えるとの説明がありました。

 下記より、朝長名誉院長のプレゼンテーションスライドをご覧いただけます。(英語のみ)
Emergency Medical Care in Nuclear Emergency Situations from the perspectives of a Humanitarian Relief Organization [PDF]