イタリア赤十字社サマースクール(研修)への職員派遣について

2015/08/05

Dr.Endo
参加者と握手する遠藤医師(左)

 2015年6月23日から27日の日程で「化学、生物、放射性物質、核兵器(CBRN)に対応するための研修」がイタリアにて開催され、日本赤十字社(以下、「日赤」)から緊急被ばく医療アドバイザーに任命されている水戸赤十字病院 脳神経外科部長の遠藤 聖医師を派遣しました。

 原子力災害に見舞われた地域のリハビリテーションやレジリエンスと関わりあいながら、原子力災害対策関係国の原子力災害への取り組みの強化と放射能防護力を高めることを目的として開催されたこの研修には、各国の赤十字・赤新月社から災害コーディネーターなど約20名が参加しました。


防護服を着用しての実動訓練

 研修前半は、イタリアのCBRN研究機関である欧州核エネルギー協会(ENEA)にて、生物・化学兵器、放射線の一般的事項、原子力災害時の対応や備え等の歴史、最近のCBRNに関する事件などについて知見を深め、後半はイタリア赤十字社の訓練施設(CORPO MILITARE)にて実動訓練が行われました。この施設には、軍の衛生部隊と同等の資機材や車両などが配置され、CBRNについては災害の規模、レベル、カテゴリー別のタイベックスーツやマスクなどの防護服などが整備されています。また、災害や有事に備え、訓練された救護班が24時間体制で組織されています。
 参加した遠藤医師は、「訓練内容は、日赤で行っている災害・救護訓練に近いものであったが、常に紛争やテロなどが近隣諸国で起きている国にある赤十字社という点で、平時の準備や実際の対応は日赤のそれとは大きく異なっており、軍、警察、消防などとの連携も密接である。」と感想を述べています。


各国からの参加者
[イタリア赤十字社の訓練施設CORPO MILITAREにて]

 研修では、主催者であるイタリア赤十字社から福島第一原発事故やその後の状況について繰り返し言及され、将来起こりうる原子力災害に対応するためには、災害への備え、継続した訓練、専門的教育、また、一般市民への情報発信・啓発の重要性が強調されました。

 現在、日赤では、福島第一原発事故の反省を踏まえ「原子力災害における救護活動ガイドライン」を策定し、ガイドラインに基づき、緊急被ばく医療アドバイザーを任命するとともに、全国の救護班を対象に原子力災害対応基礎研修会を実施しています。今後も、各国の赤十字・赤新月社などが開催する研修や訓練に積極的に参加して情報を共有し、原子力災害対応の知見や専門性を高め、そのノウハウや最新の情報を国内の研修にも取り入れていきたいと考えています。