• 原子力災害対応基礎研修会について

原子力災害対応基礎研修会について

 医師・看護師・事務職員らからなる救護班要員は、その多くが放射線の専門家ではありません。福島第一原発事故の際の福島での救護活動は、放射線に関する知識・装備の不足、安全確保のための基準の欠如等によって、必ずしも十分なものではありませんでした。救護班要員が放射線環境下での救護活動に安全かつ安心して従事でき、被災者に対して必要な支援活動を行えるようにするため、原子力災害時における活動を行う上で必要な基礎知識を習得することを目的として「原子力災害対応基礎研修会」を実施しています。
 この研修会は、日赤の緊急被ばく医療指定機関などの医師・診療放射線技師らによる「緊急被ばく医療アドバイザー会議」においてカリキュラムや内容が検討され、研修会で使用する教材(テキスト)の準備・作成も行われました。また、緊急被ばく医療アドバイザーである医師・診療放射線技師が研修会の講師を務めています。この研修会は、2014年11月から始められ、2014年度・2015年度に日赤本社において計4回開催されました。2016年度からは日赤の各地域のブロックにて開催される予定です。

 研修会は、日赤が策定した「原子力災害における救護活動ガイドライン」[PDF] の説明、放射線の基礎知識、緊急被ばく医療アドバイザーの役割、放射線防護資機材の実習、グループワークによるケーススタディなどで構成されています。特にケーススタディにおいては、救護班要員の選定、目的地まで安全に行く経路の確認、意思決定、相談すべき相手先などを具体的に検討します。参加者が、ケーススタディを通じて大規模災害対応時に必要な原則や、さらに緊急被ばく医療アドバイザーとの協働の重要性を再認識することを目指しています。
 原子力災害という、頻度の低いとみられる事故の中であっても、日赤救護班として必要な活動をしていくために、本研修会のような訓練を継続していくことが重要だと考えています。

 これまでに開催された「原子力災害対応基礎研修会」の内容を、以下にご覧いただけます。

平成26年度第1回原子力災害対応基礎研修会報告
平成26年度第2回原子力災害対応基礎研修会報告
平成27年度第1回原子力災害対応基礎研修会報告
平成27年度第2回原子力災害対応基礎研修会報告
平成28年度原子力災害対応基礎研修会(2、4、6ブロック)

 4回の研修会の中で使われてきた教材に必要な見直しを加え、今後各ブロックで開催される研修会にて使用する教材のベースとするため、「原子力災害における救護活動マニュアル」としてパッケージ化しました。パッケージには、以下の教材が含まれています。

原子力災害における救護活動マニュアル [PDF]
 原子力災害が発生した場合の日本赤十字社の救護活動時の行動基準を定めています。一般の立ち入りが制限される「警戒区域等」の外の地域で活動することと、活動期間中の累積被ばく線量が1mSvを超えないことなどが示されています。

【講義1】日本赤十字社の原子力災害への取り組み [PDF]
 日赤の原子力災害に備える取り組みについて、その背景や骨子について紹介する教材です。ガイドラインの策定や原子力災害対応のための人材育成、デジタルアーカイブを通しての情報発信などの取り組みについて説明しています。

【講義2】災害救護活動における放射線防護の基礎知識 [PDF]
 放射線についての基礎的な説明や、広島・長崎での原爆被害、チェルノブイリ・福島での原発事故による被害状況から、放射線被ばくによる健康への影響について説明しています。

【講義3】原子力災害時の救護班活動と緊急被ばく医療アドバイザーとの協働 [PDF]
 原子力災害が発生した際に配置される緊急被ばく医療アドバイザーの役割や、救護班が行うべき救護活動の範囲について説明しています。

【講義4】原子力災害時の救護活動における安全確保のために [PDF]
 安全確保のために救護班が活動中に取るべき具体的行動や、救護班に同行する診療放射線技師の役割について説明しています。

【実習1】デジタル式個人線量計の使用方法・防護服の着脱手順 [PDF]
 救護班要員一人一人に配布される個人線量計の使い方や防護服の着脱方法について説明しています。

【実習2】サーベイメータ・個人被ばく線量計の保守管理と使用方法 [PDF]
 放射線測定機器の使用方法・保守について説明しています。

関連ページ
原子力災害における救護活動ガイドライン
原子力災害に備える取り組みについて
緊急被ばく医療アドバイザー会議について