• 国際赤十字・赤新月社連盟のガイドラインについて

国際赤十字・赤新月社連盟のガイドラインについて

 国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)は、「原子力・放射線災害における事前対策および応急対応ガイドライン」(以下、連盟ガイドライン)を2015年10月に策定しました。連盟ガイドラインは、赤十字・赤新月社や各国において原子力緊急事態に備えるための計画作りに活用されることを目的に作成されました。連盟ガイドラインには、連盟のガイドラインに対する基本的な考え方、原子力災害時の政府・赤十字・関係機関の役割、事前対策(Preparedness)、応急対応(Response)、復興(Recovery)それぞれにおける対応を含め、以下の内容が記述されています。

「原子力・放射線災害における事前対策および応急対応ガイドライン」[PDF](全文:英語のみ)

以下、各章の概要と章ごとに分割したファイル(英語のみ)です。

Acknowledgements・Foreword・Acronyms [PDF]
連盟事務総長からの前書きや略語集が掲載されています。

Chapter 1. IFRC programme on Nuclear and Radiological Emergencies [PDF]
ガイドラインを策定するに至った背景としては、2011年に福島第一原発事故が発生したその年の連盟総会において、国際赤十字運動における赤十字・赤新月各社や国際的な機関に原子力緊急事態への事前対策や対応において、より大きな役割を引き受けるよう促す決議の採択を行ったことがあります。連盟ガイドラインの目的は、国赤十字・赤新月各社において被災者救済のための対策や対応のプラン作りを支援することであり、そのために必要な情報についても盛り込んでいます。

Chapter 2. Guiding Principles and policies [PDF]
このガイドラインは、原子力・放射線の影響に対してどのように対処したらよいかの指針となります。原子力・放射線緊急事態に対する備えは、単独であってはならず、国赤十字・赤新月各社の大規模災害対応の一部であるべきです。CBRN対策を策定する場合の考慮すべき基本原則や、原子力緊急事態発生時の対応における法的課題について説明しています。

Chapter 3. Basic nuclear and radiological concepts [PDF]
原子力・放射線に関する基本情報として、原子力技術が利用されている分野や、原子力緊急事態とはどのようなものかについて説明しています。また、放射線被ばくや放射性物質による汚染の影響についても説明しています。

Chapter 4. Roles and responsibilities [PDF]
原子力・放射線緊急事態発生時の政府、赤十字・赤新月各社、連盟、ICRCなどの役割について説明しています。政府には住民の健康・福祉・安全に対する最終的な責任がある一方、赤十字・赤新月各社は政府を補助する役割として、緊急事態による人道的影響への対応に注力すべきです。

Chapter 5. Preparedness [PDF]
原子力緊急事態が発生した場合に備えるための事前対策について説明しています。原子力緊急事態に対する備えは、自然災害などを含む全ての大規模災害への備えの一部としてとらえるべきです。その上で、原子力災害特有の応急対応・復興支援や、被害を防いだり緩和したりするための対策が必要になります。事前準備においては、スタッフやボランティアの訓練や、救援物資・資機材の準備も考慮する必要があります。

Chapter 6. Response [PDF]
原子力緊急事態が発生時した場合の応急対応について説明しています。日頃から地域の特性を把握しておき、災害が発生した場合は素早い対応により赤十字の存在を示すことが重要です。各赤十字・赤新月社は、災害によるリスクアセスメントを行ってスタッフやボランティアのリスクに配慮しながら、被災者のニーズに沿って必要な支援を行える支援計画を作ることが大切です。

Chapter 7. Recovery [PDF]
復興支援活動は地域コミュニティーを回復させるための活動で、応急フェーズ時の段階において被災者を支援することからスタートし、緊急時の後も長期的に継続します。復興支援プログラムは災害以前の生活パターンを回復させることと、被災者の生活を守り再建することを目指します。原子力災害からの復興プログラムには、被害の広域化・影響や避難の長期化・健康被害への懸念など、複雑な要素を考慮する必要があります。

Chapter 8. Staff and volunteer deployment and safety [PDF]
赤十字・赤新月各社のスタッフやボランティアの派遣とその安全確保について説明しています。スタッフやボランティアは、高レベルに汚染されたHotまたはRedゾーンで活動するのではなく、そこから避難してきた人々に対してサービスを提供すべきです。各社は健康に関する基準などを慎重に調査し、事前準備や応急対応の計画を策定する必要があります。

Chapter 9. Engaging and coordinating partners [PDF]
赤十字・赤新月各社が自身の対応能力を高めるために、連盟内の各組織・赤十字・赤新月各社間および外部機関との連携することの重要性を説明しています。

Chapter 10. Managing public communication activities [PDF]
原子力緊急事態における一般市民とのコミュニケーションにおいては、過去には課題がありました。これらのコミュニケーションは政府の役割ですが、赤十字・赤新月各社にはその補完や支援の役割が期待される場合があります。赤十字のような信頼や知識がある機関には、緊急事態において信頼できる情報や、中立的なソースからの正しい情報などを提供することが求められます。

Chapter 11. Psychosocial interventions [PDF]
放射線に対する恐れに起因するストレスが、健康に対してより大きい影響をもたらすことがあります。このため、こころのケアに適切に対応することは非常に重要となります。被災者に対する心理社会的関わりを、災害発生時とそれ以降の期間、および長期的な観点から説明しています。

Chapter 12. IFRC support and assistance [PDF]
連盟が行うサポートと支援について説明しています。2011年の総会での決議を受けて、連盟は原子力・放射線緊急事態に対応するための対策を進めてきました。赤十字・赤新月各社のリソースや関係する国際機関との協力を通して、人々の命や暮らしを守る取り組みを行って行きます。

Info Box・Glossary of Terms・Useful Reference Sources [PDF]
福島とチェルノブイリの事故の比較・用語集・関連情報が掲載されています。

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原子力災害におけるガイドライン